ものしり英語塾

NHKラジオ「ものしり英語塾」6月のゲスト:劇作家・演出家 平田オリザさん

電車のボックス席(向かい合わせで4人のシート)で窓際に向かい合わせに、知り合いの大杉先生(男性)とリサさん(女性)が座っていて、平田さん(男性)がやってきて、大杉先生の隣に座ろうとしたとき、リサさんが大杉先生に、隣に座り直したら?と提案するが、平田さんが、わざわざ移動しなくてもいいですよ、と断る場面。

Hirata: May I?
Osugi: Sure. Go ahead.
Lisa: Come over here.
Osugi: Oh.
Hirata: No. I apply here.
Osugi: You sure?
Hirata: Oh, thank you.
Osugi: Not at all.

この寸劇を平田オリザさんがカナダで大学生にやらせてみたところ、うまくできなかったそうです。

このように譲り合っているが、遠慮して結局何も起こらないという状況は、カナダ人やアメリカ人の間では(日本人以外では)ありえないそうです。そのため彼らには想像がつかないため、演じようとしてもスムーズにできないのです。
(この場合リサさんは日本在住の英語講師なので、日本人の行動様式をよく知っています。)

言語のバックグラウンドにある文化や行動様式を知っていないと、いくら外国語を流暢に話せても話が通じないということになってしまいます。

私は英語講座のラジオを聞く趣味があるのですが、言語自体よりもむしろ異文化について知ることが好きです。NHKの英語講座の場面はほとんどがアメリカで、たまにイギリス人が出てくるくらいなので、英米人の文化しか見えてこないのです。欲を言えば、アフリカや東南アジア、南アジア、中近東などの文化的背景も知りたいです。