『北朝鮮14号管理所からの脱出』

北朝鮮 14号管理所からの脱出

北朝鮮 14号管理所からの脱出

ブレイン・ハーデン 著 園部哲 訳 http://www.amazon.co.jp/dp/4560082405 を読んだ。本書の取材対象のシン・ドンヒョク氏は、父親の兄弟に脱北者がいたため父親が「14号管理所」と呼ばれる政治犯収容所に入れられていた。彼は1982年に管理所内で生まれてから脱出するまで外の世界を知らなかった。監視の厳しい「14号管理所」から脱出し、さらに脱北にも成功した例は彼が初めてのため、管理所内部を知る資料としても貴重である。脱北後の彼はアメリカに渡った後にソウルに戻り、脱出前の常識とのギャップや強度のPTSDに苦しみながら、証言講演活動やボランティア活動を行っている。

北朝鮮を知りすぎた医者』 http://www.amazon.co.jp/dp/4794210620 のノルベルト・フォラツェン氏も北朝鮮国内を見た当事者ではあるが、本書は観察者ではなく収容者本人の経験が詳しく書かれているため、はるかに衝撃的だった。機会があれば、シン・ドンヒョク氏の講演を聴いてみたいと思った。

なお彼についてのドキュメンタリー映画北朝鮮強制収容所に生まれて』が2014年3月、東名阪の劇場で公開される。
http://www.u-picc.com/umarete/