ペマ・ギャルポさんの講演を聞いてきた

知り合いに誘われて、東京で「チベットは主張する」という題の講演を聞いてきました。講師のペマ・ギャルポさんは、ダライ・ラマ法王アジア・太平洋地区初代代表で、日本に帰化したチベット人です。
講演1時間、質疑応答30分で、参加者60名ぐらいだったと思います。チベットと中国の関係の歴史を中心に、チベットがなくなってしまわないためにどのようにしたらよいかという危機感を持った話でした。
資料として、2008年6月1日付け東京新聞サンデー版の図解「チベットは今」の地図を参照していました。東京新聞にしてはよく書いた、という感じです。歴史的にチベットは中国が「チベット自治区」としている区域以外に、四川省青海省雲南省甘粛省の一部に広がっていて、現在の「中華人民共和国」の面積の1/4を占めています。(というか、中国が勝手にチベットの中に省・自治区の境界線を引いた)
1980年にチベット側の担当者としてペマ・ギャルポ氏が、中国当局と一緒にチベットの領域を確認した時には中国側も認めていたそうですが、その後の同化政策によって中国化を進めてなし崩し的に既成事実化しています。
今までチベットは中国と話し合いで問題を解決しようとしてきましたが、取り決めをしても何度も中国側に反故にされています。
中国軍のラサ進駐に対してチベット人が決起した1959年3月10日にを記念して3月10日がチベット人にとって意味深い日になっていることが分かりました。


講演会で紹介された本です。

扶桑社新書 中国が隠し続けるチベットの真実 (扶桑社新書 30)

扶桑社新書 中国が隠し続けるチベットの真実 (扶桑社新書 30)

今年7月の洞爺湖サミットに集まる各国首脳でダライ・ラマ法王と会見したことがないのは、就任したばかりのロシアのメドヴェージェフ大統領と、日本の福田首相だけだ、という指摘がありました。何でこの時期に日本は福田首相なんでしょう。


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ちなみに、今回の講演会とは主催者は別ですが、7/19に名古屋でもペマ・ギャルポ氏の講演があるようです。
チベットの現状と五輪の行方〜DO YOU KNOW TIBET?〜」
日時:2008年7月19日(土) 18:00開場18:30開演21:00終了
場所:名古屋市青少年文化センター(アートピア)
入場料:一般500円、高校生以下は無料
内容:
 第一部 基調講演(ペマ・ギャルポ氏、王進忠氏)
 第二部 パネルディスカッション

主催:フリーチベットin名古屋事務局
e-mail:freetibet-in-nagoya@mail.goo.ne.jp